南高梅

Nankō Ume

登録商標 地域団体商標 第5003836号(特許庁、2006年11月17日登録)。品種は農林認定品種「梅農林1号」(1965年)

和歌山県みなべ町を原産地とする梅の代表品種。大粒・薄皮・肉厚で種が小さく、梅干しに最適な果肉対種比率を持つ。1965年に農林省(現農林水産省)が「梅農林1号」として認定。全国の梅生産量の主力を占め、梅干し・梅酒・梅シロップに欠かせない高級ブランド梅品種。

南高梅とは

南高梅(なんこううめ)は和歌山県みなべ町谷ヶ瀬を発祥地とする梅の最高峰品種です。1902年(明治35年)頃に高田貞楠が発見した「高田梅」が起源で、1950年代に和歌山県立南部高等学校の園芸科教諭・竹中勝太郎と生徒たちが5年間の選定調査に取り組み、最優良品種として選定。調査に多大な貢献をした「南」部高校と、発見者「高」田氏から一文字ずつとり「南高」と命名されました。1965年(昭和40年)に農林省(現農林水産省)が「梅農林1号」として正式認定。 南高梅の特徴は、大粒(一粒22〜35g以上)・薄皮・肉厚・小種という特性の組み合わせです。果肉対種の比率が梅品種の中でも際立って高く、漬け込み中に皮が破れにくいことから「梅干しに最適な品種」として不動の地位を確立しています。完熟した黄橙色の実が梅干し用、6月初旬の青梅が梅酒・梅シロップ用と、収穫時期で用途が明確に分かれます。 和歌山県は日本の梅生産量の約60〜70%を占める全国最大の産地で、なかでもみなべ町と田辺市の「みなべ・田辺地域」が県内生産の大半を担います。みなべ・田辺の梅システムは2015年にFAOの世界農業遺産(GIAHS)に認定されており、梅林・備長炭生産・生物多様性が一体となった里山農林複合システムとして国際的に評価されています。「紀州みなべの南高梅」は特許庁の地域団体商標(第5003836号、2006年11月17日登録)として保護されています。

味わい・食感

南高梅の最大の特徴は、梅品種の中でも抜きん出た「大粒・薄皮・肉厚・小種」の4条件が揃っていることです。この4条件が梅干し製造に理想的な特性を作り出しており、「梅干しの王様」の異名を持ちます。

果実プロファイル

  • サイズ: 一粒22〜35g程度。大玉は35g超えも多く、完熟大玉は40g超えになる個体もある
  • 皮: 薄く柔らかい。長期漬け込み中も皮が破れにくく、梅干しに仕上げたときの食感が良い
  • 果肉: 厚みがあり、果肉対種の比率が高い。梅品種の中で最高水準の可食部比率
  • 種(核): 比較的小さく、一粒あたりの果肉割合が高い
  • 香り: 熟すと桃を思わせるフルーティーで芳醇な香りが立つ
  • 色: 青梅期は鮮やかな黄緑色→完熟すると黄橙色〜橙色に変化

収穫タイミング別用途

  • 6月上旬〜中旬(青梅・未熟果): 梅酒・梅シロップ・梅ジャム用。硬くて渋みがある
  • 6月中旬〜下旬(黄熟〜完熟): 梅干し用。樹上で完熟して自然落下するものが最高品質

梅干しに最適な理由: タンニン含量が適度で、漬け込み工程での皮の耐久性が高い。果肉の細胞構造が緻密で、長期塩漬け・天日干し後も食感が残る。種が小さいため、仕上がった梅干しの可食部比率が大きく、口の中での種の存在感が少ない。

味覚プロファイル(完成した梅干し)

  • 塩気: 従来型梅干し(塩分15〜20%以上)は強い塩気が特徴。現代の「はちみつ梅」「減塩梅干し」(塩分8〜12%)は甘酸っぱくまろやか
  • 酸味: クエン酸由来の鋭い酸味
  • 旨み: 昆布やかつおぶし入り「調味梅干し」では旨みが加わる
  • 後味: 芳醇な南高梅特有の果実香が残る

旬カレンダー

最盛期

6月

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主要産地

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他の品種との違い

古城(こじろ / ごじろ)との違い

古城は和歌山県内でも栽培される梅品種で、南高梅より小ぶり(一粒15〜25g前後)で果肉がやや硬め。種が比較的大きく梅干しにはやや不向きですが、収穫が南高梅より1〜2週間早く(5月下旬〜6月上旬)、梅酒・梅シロップ用の青梅として人気が高い品種です。南高梅に比べると市場流通量は少なく、産地でのみ入手しやすい品種の一つです。

白加賀(しらかが)との違い

白加賀は群馬県が主産地の大粒梅品種で、全国の梅生産量で南高梅に次ぐ知名度を持ちます。果実は南高梅と同等の大粒(20〜30g)ですが、果皮がやや厚く硬めで、梅干しよりも梅酒・梅シロップ・梅ジュース用途に向くとされます。群馬県内ではJA等を通じた地元ブランドとして流通しており、関東圏では南高梅と並ぶ梅の代表品種として扱われています。産地が関東(群馬中心)と紀南(和歌山)で地域的に棲み分けがあるため、ブランドポジションは競合というよりも地域別の主役という位置づけです。

豊後(ぶんご)との違い

豊後梅は梅とアンズの交雑種に分類される大果品種で、果重が30〜50gに達する極大粒が特徴。寒冷地への適応性が高く東北地方でも栽培されます。果肉は多汁ですが繊維が粗く、梅干しよりもジャム・果実酒・梅シロップ向きとされます。南高梅に比べると果肉の繊細さに欠け、高級梅干し用としての評価は南高梅の方が上です。国内での市場認知は南高梅に遠く及ばず、どちらかというと家庭菜園・産地直売市場での流通が中心。

セイヨウスモモ / ヨーロッパプラム (Prunus domestica)との違い

「Japanese plum」や「Japanese apricot」という英名で海外でも認知されるようになった梅(Prunus mume)は、ヨーロッパやアメリカで広く流通するセイヨウスモモ(Prunus domestica / いわゆる「プラム」)とは植物学的に異なる種です。梅の果実は生では渋みが強く(クロロゲン酸・アミグダリン等の影響)、そのままでは食べられません。一方、セイヨウスモモは生食・生フルーツとして流通します。梅の主な消費形態は梅干し・梅酒・梅シロップ・梅ジャムといった加工品です。海外では「plum」という英語が梅を指すために転用されることがありますが(例: umeboshi plum、ume plum vinegar)、これは植物学的な「plum=セイヨウスモモ」とは別物です。

品種の来歴

南高梅の歴史は1902年(明治35年)頃、和歌山県みなべ町谷ヶ瀬に住む高田貞楠が自分の畑で発見した一本の梅の木にさかのぼります。特に大粒で品質の高いこの木は「高田梅」と呼ばれて地元で受け継がれましたが、当初は広く認知されてはいませんでした。 転機は1950年代に訪れました。和歌山県農業試験場とみなべ地域の農家が中心となり、地域の梅品種を体系的に評価する選定調査が始まりました。この調査に参加したのが和歌山県立南部高等学校(当時の「南部農学校」が前身)の園芸科教諭・竹中勝太郎とその生徒たちです。生徒たちは5年間にわたり、果実の大きさ・果肉の厚さ・種の大きさ・皮の薄さ・収量などの指標を丹念に調査しました。その結果、高田梅の系統が他のみなべ産梅品種を大きく上回る最優良品種と認定されました。 品種名「南高」は、調査に貢献した「南」部高校と、発見者「高」田氏の名前から一文字ずつ取って命名されました。1965年(昭和40年)10月29日、農林省(現農林水産省)は南高梅を「梅農林1号」として正式認定し、品種としての法的位置づけが確立しました。この認定により生産者たちは種苗の品質を担保しながら普及できるようになり、みなべ地域の梅産業は急速に拡大します。 みなべ・田辺地域では江戸時代から梅林と備長炭(白炭)の生産が組み合わさった独自の農林複合システムが発展しており、梅が育つ丘陵地の山林は炭材木(主にウバメガシ)の供給源でもあります。この里山複合システムは2015年にFAOの世界農業遺産(GIAHS)として認定され、農業生産・農村景観・生物多様性の三位一体での持続性が国際的に評価されました。 流通面では1970〜80年代にかけて梅干し加工業者の集積が紀南地域に進み、南高梅を原料とする梅干しブランドが全国市場に浸透しました。「紀州みなべの南高梅」は2006年11月17日に特許庁の地域団体商標(第5003836号)として登録され、JA紀州が商標を保有しています。これにより、みなべ・田辺地域で生産された南高梅のみが「紀州みなべの南高梅」を名乗ることができます。南高梅はその後、高級梅干し市場のデファクトスタンダードとなり、パッケージに「南高梅使用」と記載することが品質を保証するシグナルとなっています。

育成機関
和歌山県立南部高等学校(品種選定調査参加)および和歌山県農業試験場。発見者は高田貞楠(みなべ町谷ヶ瀬)。
交配親
1902年(明治35年)頃に高田貞楠が発見した「高田梅」を起源とする偶発実生。1950年代の選定調査で南高梅として確定。
登録年
1965年
商標登録番号
地域団体商標 第5003836号(特許庁、2006年11月17日登録)。品種は農林認定品種「梅農林1号」(1965年)

出典:特許情報プラットフォーム (J-PlatPat) / 育成機関・運営団体 公表資料

選び方

  • 日本国内で南高梅を選ぶ場合: 青梅(梅酒・梅シロップ用)は、果皮が均一な黄緑色で傷・変色のないものを選びます。

  • 表面に茶色い斑点が出ているものは避け、張りのある固い実を選んでください。

  • 完熟梅(梅干し用)は、果皮が黄橙色〜橙色に変わり、桃のような芳醇な香りが漂い始めた実が最適です。

  • 最高品質の「完熟落ち梅」は樹上で完熟して自然落下した実で、みなべ・田辺地域から直送される6月中旬〜下旬の産地直送品が正品です。

  • 梅干し製品として購入する場合: ・「南高梅使用」または「南高」の表記が品質の目印 ・塩分表示を確認。

  • 伝統製法(15〜20%以上)は常温保存可、減塩タイプ(8〜12%前後)は冷蔵保存必須 ・「はちみつ梅」「調味梅干し」は甘みや旨みが加えられた現代向けタイプ 海外での購入: 南高梅の生鮮果実は国際市場でほぼ入手不可です。

  • 植物検疫の規制により、Prunus属果実の多くの国への生鮮輸入は制限されており、6月の短い収穫窓と果実の繊細さも流通を妨げています。

  • 海外で南高梅に触れる現実的な方法は加工品経由です。

  • パッケージに「南高梅」または「Nankō Ume」と明記された梅干し、梅ジャム、梅ドレッシングが日本食専門店・アジア系食料品店で入手できます。

  • 梅酒では高級ラインのラベルに「南高梅使用」と記載されているものがあります。

保存方法

  • 青梅(収穫直後): 青梅は収穫後すぐに加工するのが基本です。

  • 常温放置すると数日で黄熟が進み、梅酒用の適期を逃します。

  • すぐに加工できない場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室(約4°C / 40°F)で1〜3日程度保存できます。

  • 追熟させて梅干し用に転換することも可能ですが、意図的に追熟させる場合は常温(20〜22°C / 68〜72°F)のザル上で数日置きます。

  • 完熟梅(梅干し用): 完熟梅は非常に繊細で、常温放置すると2〜3日で発酵が始まります。

  • 届いたらすぐに塩漬け工程に入ることが理想です。

  • すぐに漬けられない場合は冷蔵庫(約4°C / 40°F)で最大2〜3日、または冷凍で保存します。

  • 冷凍(−18°C / 0°F)した場合は凍ったまま塩漬けに使用でき、果肉の細胞破壊でエキスが出やすくなるメリットもあります。

  • 梅干し(完成品): ・伝統的な高塩分梅干し(塩分15%以上): 常温・冷暗所保存が可能。

  • 適切に漬けられた梅干しは理論上数年〜数十年保存できます ・現代の減塩梅干し(塩分8〜12%): 要冷蔵。

  • 開封後は必ず冷蔵庫保存し、パッケージ記載の消費期限内に消費 ・はちみつ梅・調味梅干し: 要冷蔵。

  • 開封後1〜2ヶ月を目安に消費 梅酒(梅シロップ含む): 直射日光を避けた冷暗所で保存。

  • 梅酒は1年以上熟成させると風味が増します。

  • 梅シロップは冷蔵保存で約3ヶ月を目安に消費してください。

よくある質問

南高梅の名前はどこから来ていますか?

「南高」という品種名は、1950年代にみなべ地域で行われた優良品種選定調査に多大な貢献をした「南」部高等学校と、1902年頃に原木を発見した「高」田貞楠氏の名前から、それぞれ一文字ずつ取って命名されました。南部高等学校(現・和歌山県立南部高等学校)の園芸科教諭・竹中勝太郎と生徒たちが5年間にわたり地域のさまざまな梅品種を調査・評価し、高田梅系統が最優良品種と判定されました。1965年(昭和40年)に農林省が「梅農林1号」として正式認定し、南高梅の品種としての地位が確立しました。

梅は「Japanese plum」ですか?西洋のプラムと同じものですか?

梅(Prunus mume)は英語では「Japanese plum」または「Japanese apricot」と呼ばれることがありますが、西洋のスーパーで売られている生食用プラム(セイヨウスモモ Prunus domestica)とは別種の果物です。植物学的にはアンズ(アプリコット)に近い親戚関係にあります。最も重要な違いは、梅は生では食べられないという点です。未熟な梅にはアミグダリン(加水分解されると青酸を生じる成分)が含まれており、完熟した梅も強い渋みがあります。そのため梅は必ず加工して使われます(梅干し・梅酒・梅シロップ・梅ジャム等)。海外の商品ラベルで「ume plum」「plum vinegar」という表記があるのは英語での便宜的な呼称で、植物学的に西洋プラムとは異なることに注意してください。

海外で南高梅の梅干しを買う方法は?

南高梅の生鮮果実は植物検疫上の制限と果実の繊細さにより、日本国外では市販されていません。海外で南高梅に接する方法は加工品経由です。 ・梅干し: パッケージに「南高梅使用」または「南高梅 Nankō Ume」の表記があるものが本物。日本食専門店・韓国系スーパー・大型アジア系食料品店で入手可能。高級タイプは「塩分15〜20%の伝統製法」、現代的な甘口タイプは「はちみつ梅・減塩梅干し」と記載があります。 ・梅酒(梅シロップ): 「南高梅使用」と記載された梅酒ブランドが日本食専門店で購入可能。Choyaなどの大手ブランドが海外流通しています。 ・梅エキス・梅ドレッシング・梅ペースト: 輸入食料品店や日本食オンラインショップで入手可能。 購入の際は、「南高梅」の表記のない梅干しは別品種の梅が使われている可能性があります。品質の目印として「南高梅」の表示を確認することを推奨します。

みなべ・田辺の梅システムの「世界農業遺産」とは何ですか?

みなべ・田辺の梅システムは2015年12月、FAO(国連食糧農業機関)の世界農業遺産(GIAHS: Globally Important Agricultural Heritage Systems)に認定されました。これは農業システムとしての伝統・生態系・文化・景観を国際的に評価するFAOのプログラムで、世界各地の伝統的農業が対象になります(国連教育科学文化機関ユネスコの世界遺産とは別制度です)。みなべ・田辺地域が評価された理由は、(1)梅林の農業生産システム、(2)梅林に併存するウバメガシ(備長炭の原料)の林業、(3)多様な生物多様性(ニホンミツバチを含む在来種の生息環境)、(4)農村景観・地域文化との一体性、という農林複合の持続システムとしての総合的な価値です。

梅干しと梅酒では南高梅のどちらが向いていますか?収穫時期の違いは?

南高梅は梅干しと梅酒のどちらにも向きますが、収穫タイミングが明確に異なります。 梅酒・梅シロップ用: 6月上旬〜中旬に収穫する青梅(未熟果)を使います。この時期の実は固く、果汁よりも芳香成分とクエン酸が豊富で、梅酒に漬けると清澄なエキスが出ます。 梅干し用: 6月中旬〜下旬の黄熟〜完熟果を使います。果皮が黄橙色に変わり、桃のような香りが出た段階が理想。最高品質の梅干しには「樹上完熟→自然落下」した実(落ち梅)が使われます。 同じ南高梅でも収穫時期が2〜3週間ずれるだけで用途が変わります。産地では梅酒用の青梅と梅干し用の完熟梅が別々に出荷され、加工業者もそれに合わせて受け入れ時期を分けています。なお、青梅をそのまま梅干しに使うと種と果肉が分離しにくく、塩漬け後の仕上がりも硬くなるため、梅干し用途には完熟梅を選ぶことが品質上重要です。

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