滋賀県
有名な農産物
近江牛
滋賀県内で肥育された黒毛和種の総称で、松阪牛・神戸牛と並ぶブランド和牛として全国的に知られています。近江牛の歴史は400年以上とされており、彦根城下の牛肉文化に起源を持つとされています。彦根市・米原市・東近江市周辺の牧草地帯が主な肥育エリアで、滋賀県の水田・河川由来の飼料・水を用いた飼育が特徴です。きめ細かい霜降りと深い旨みが評価されており、近江の老舗精肉店を通じた流通が産地ブランドを支えています。
赤こんにゃく
滋賀県東近江市(旧近江八幡市域を含む)特産の赤色をしたこんにゃくで、三二酸化鉄(食品添加物)を用いて着色した独自の食材です。通常のこんにゃくより歯ごたえがあり、煮物・炒め物に使われます。近江八幡市の商家文化と結びついた食材とされ、地元では精進料理・郷土料理に広く使われています。滋賀の食土産として道の駅・地元スーパーで定番の品となっています。
ふなずし(鮒寿司)
琵琶湖固有種のニゴロブナを塩と米飯で発酵させた滋賀県を代表するなれずしで、日本で最も古いすしの形態のひとつとされています。産卵前の雌のニゴロブナを塩漬けにした後、米飯とともに漬け込んで1〜3年以上熟成させます。独特の発酵香と酸味が特徴で、好みが分かれる一方、チーズに似た風味として評価する向きもあります。琵琶湖周辺の農家・漁家が家庭で仕込む文化が続いており、近年は若い世代の職人による現代的解釈の商品も登場しています。
滋賀県のブランド品種
滋賀県の気候と農業
滋賀県は日本最大の湖・琵琶湖(面積約670km²、県面積の約1/6)を中心に据えた盆地地形を持ちます。四方を比良山地・鈴鹿山脈・伊吹山地・野坂山地に囲まれ、盆地特有の寒暖差が農作物の品質に寄与しています。年平均気温は約15℃、年降水量は東側(湖東)で約1,500mm、西側(湖西)で約2,000mmと差があります。琵琶湖からの水を利用した水稲栽培が農業の基幹で、近江米(コシヒカリ・みずかがみ等)の産地として知られています。湖東地域の彦根・米原周辺は良質な牧草地帯で近江牛の肥育地となっており、農業と畜産が複合的に展開されています。琵琶湖では固有種・希少種を含む多様な魚類(ホンモロコ・スジエビ・鮒・ビワマス等)の漁業が行われており、ふなずしをはじめとする発酵食文化も独自に発展しています。野洲川・愛知川・日野川などの流域では水田の裏作として赤こんにゃく・日野菜かぶの伝統野菜の栽培も続いています。
出典:農林水産省 令和5年作物統計、気象庁
滋賀県の農業の特徴
滋賀県の農水産業を語る上で琵琶湖の存在は欠かせません。湖が県土の約1/6を占めるという地理的条件は、灌漑水源として農業を支えるだけでなく、固有の生態系と漁業文化・発酵食文化を育んできました。ふなずしに代表される「なれずし」の伝統は、冷蔵技術のない時代に長期保存を可能にした発酵の知恵であり、現代においても滋賀の食文化のアイデンティティとなっています。農産物の面では全国ランキングで突出する品目は少ないものの、近江牛・近江米という高付加価値ブランドを持ち、赤こんにゃく・日野菜・丁字麩などの独自食材が地域の食の多様性を保っています。大消費地・京阪神への近さを活かした近距離流通の歴史もあり、「近江商人」の通商ネットワークが農産物流通の文化的背景を形成してきた点も滋賀農業の独自性です。
生産食材ランキング
出典: 農林水産省 作物統計調査・林野庁 特用林産物生産統計調査(2023年)
主要食材の生産推移
上位5食材の生産量推移(2018-2023)
出典: 農林水産省 作物統計調査・林野庁 特用林産物生産統計調査(2018-2023年)
大津市の消費傾向
出典: 総務省 家計調査(2024年・二人以上の世帯・大津市)
旬カレンダー
よくある質問
滋賀県の名産品・特産物といえば?
近江牛・近江米が全国的なブランドとして知られています。琵琶湖固有の食材としてはふなずし(ニゴロブナの発酵食)・ホンモロコ・ビワマスがあります。食材以外では赤こんにゃく・日野菜かぶ・丁字麩など滋賀固有の伝統食材も特徴的です。
ふなずしとはどんな食べ物?
琵琶湖産のニゴロブナを塩と米飯で1〜3年以上発酵させた「なれずし」で、日本最古のすし形態のひとつです。独特の発酵香と酸味が特徴で、薄くスライスして食べます。近年はチーズに似た風味として評価する声もあり、地元の道の駅・土産店などで購入できます。
近江牛と松阪牛・神戸牛の違いは?
三つとも黒毛和種のブランド和牛ですが、産地が異なります。近江牛は滋賀県内で肥育された牛、松阪牛は三重県松阪市周辺の指定地域、神戸牛は兵庫県の指定地域が産地です。近江牛は400年以上の肥育の歴史があるとされ、きめ細かい霜降りと旨みが特徴として評価されています。
出典:農林水産省 令和5年作物統計/文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」/気象庁 過去の気象データ。生産量データは2023年の値を使用しています。