島根県
有名な農産物
宍道湖しじみ
島根県松江市に広がる宍道湖(汽水湖)は、ヤマトシジミの産地として全国1位の生産量を誇ります。淡水と海水が混じり合う汽水環境が、旨み成分(コハク酸・グルタミン酸)を含む大粒のしじみを育てます。宍道湖の年間しじみ漁獲量は全国シェアの高い割合を占め、しじみ漁は松江市の伝統的な生業のひとつです。「宍道湖しじみ」は島根を代表する水産ブランドとして、みそ汁用・しじみエキス加工品として全国に流通しています。
出雲そば
島根県出雲地方の郷土食で、「割子そば」(丸い漆器に盛り付けて薬味と出汁をかける形式)が特徴的な食べ方です。出雲平野周辺で栽培されるそば粉を使い、殻ごと挽く「挽きぐるみ」製法のため色が濃く香りが強いのが特徴。島根県のそば栽培面積は全国有数で、出雲大社への参拝文化と結びついた地域食文化として根付いています。全国三大そばのひとつに数えられることも多く、島根の食の象徴的存在です。
隠岐の岩牡蠣・島根和牛
隠岐諸島(隠岐の島町・海士町・西ノ島町など)で水揚げされる岩牡蠣は、「春香(はるか)」のブランド名で流通しており、産卵前の3〜5月(春から初夏)が旬です。CAS冷凍技術により通年出荷も行われています。日本海の清冽な海水で育つ大型の岩牡蠣は、クリーミーな身と海の香りが特徴とされます。島根和牛は島根県内で飼育・肥育される黒毛和牛で、安来市・出雲市周辺が主な産地。島根県畜産技術センターが品種改良に取り組み、肉質の向上が続いています。
島根県のブランド品種
島根県の気候と農業
島根県は山陰地方の西部に位置し、日本海に面した細長い地形と沖合の隠岐諸島を含む複合的な地理条件を持ちます。日本海側気候のため冬の降雪量が多く、出雲平野・江の川流域を除くと農地面積が限られています。年平均気温は約15℃、年降水量は約1,800〜2,000mmで、出雲・松江周辺は比較的温暖ですが、冬季は曇天が続き日照時間が短い点が特徴です。宍道湖・中海の汽水湖は県農水産業の重要な舞台で、宍道湖ではしじみ漁が行われ、淡水と海水の混じる汽水環境が大型のしじみを育てます。斐伊川・江の川の沖積平野では稲作が中心ですが、出雲平野ではそばや野菜の栽培も行われています。隠岐諸島は対馬暖流の影響で比較的温暖で、岩牡蠣やサザエなどの海産物が豊富です。県東部の安来市・松江市周辺では島根和牛の肥育も行われており、農業・水産・畜産が地域ごとに組み合わさった産業構造を持っています。
出典:農林水産省 令和5年作物統計、気象庁
島根県の農業の特徴
島根県の農水産業は「汽水湖・日本海・山陰の地形が生む固有性」に集約されます。宍道湖しじみは全国1位の生産量を持つ水産ブランドでありながら、汽水湖という特殊な生態環境に依存しているため、産地の再現が困難な唯一性があります。出雲そばは農産物というより地域の食文化システムとして機能しており、そば農家・製粉・飲食店・出雲大社観光が一体となったエコシステムを形成しています。隠岐の岩牡蠣は「夏が旬の牡蠣」という点で冬が旬の養殖牡蠣と季節補完する関係にあり、全国の牡蠣流通において独自の時間的ポジションを持っています。人口・農地面積では大きな県ではないものの、宍道湖という地球上で限られた汽水湖環境を農水産業の基盤に持つことが島根固有の強みであり、この環境が失われれば代替不可能であるという希少性も島根ブランドの背景にあります。
生産食材ランキング
出典: 農林水産省 海面漁業生産統計調査・農林水産省 作物統計調査・林野庁 特用林産物生産統計調査(2023年)
主要食材の生産推移
上位5食材の生産量推移(2018-2023)
出典: 農林水産省 海面漁業生産統計調査・農林水産省 作物統計調査・林野庁 特用林産物生産統計調査(2018-2023年)
松江市の消費傾向
出典: 総務省 家計調査(2024年・二人以上の世帯・松江市)
旬カレンダー
よくある質問
島根県で有名な農産物・食材は何ですか?
宍道湖しじみ(全国1位産地)・出雲そば・隠岐の岩牡蠣「春香」(春から初夏が旬)が代表的です。そのほか島根和牛、アムスメロン(出雲産)も産地ブランドとして知られています。
宍道湖しじみが有名な理由は何ですか?
宍道湖が淡水と海水の混じる「汽水湖」であることが理由です。この特殊な環境でヤマトシジミが育ち、旨み成分(コハク酸・グルタミン酸)を含む大粒のしじみが漁獲されます。全国でも汽水湖でのしじみ漁が成立する場所は限られており、宍道湖は国内最大の産地です。
出雲そばの食べ方は普通のそばと何が違いますか?
最も特徴的なのは「割子そば」の食べ方で、丸い漆器(割子)3〜5段に盛り付け、食べる直前に薬味(ねぎ・大根おろし・刻みのり)と合わせだしをかけます。製法は殻ごと挽く「挽きぐるみ」で、色が濃く香りが強いのが特徴です。つゆにつけて食べる一般的なもりそばとは食べ方が異なります。
出典:農林水産省 令和5年作物統計/文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」/気象庁 過去の気象データ。生産量データは2023年の値を使用しています。